法律相談活用法
法律相談を活かすために
限られた相談時間を有意義なものにするために、以下のようなことにご配慮頂ければ幸いです。あまり堅苦しく厳密に考える必要はなく、気にとめて頂ける程度で十分です。
事実関係を整理する
まず大切なのは、弁護士に事実関係を正確に伝えることです。弁護士は、把握した事実を法的観点から整理、評価し、解決への道を考えます。
事実関係を正確に伝えるために最も大切なのは以下の点です。
- 事実の経緯を時間軸に沿って説明する。そのためのメモを作っておく。
- はっきりと記憶している事実、記憶が曖昧な事実、直接には知らないが他人から聞いた事実、推測に基づく事実などを区別し、「はっきり覚えているわけではありませんが」「○○さんから聞いた話ですが」「推測ですがおそらく○○です」というように、説明する。
- 関係ありそうな資料(原本が望ましいです)はなるべく全部持っていく。
- 自分に有利だと思う事実だけでなく、不利だと思う事実も話す。
- その問題に関係する人たちの人間関係(利害関係)を説明する。
- 対立する相手方にはどのような言い分があるのか話す。
時系列に沿った事実関係のメモや、関係する資料のうち重要なものは、前もってファックスやe-mailで送付して下さると充実した法律相談ができます。
自分の意見や希望も言う
その問題をどのように解決したいのか、ご意見やご希望がある場合には仰って下さい。何を主張したいのかによって問題の核心が明確になりますし、解決への方針も変わってきます。弁護士の側でも、なるべくその方向に沿った解決ができないか考えます(その上で、無理なものは無理と言わなければならないこともありますが)。
また、ご自分で勉強されて何かしらの結論や推論をなさっている場合や、既に他の弁護士に相談して当事務所にはセカンドオピニオンを求めている場合なども、推論の内容や、他の弁護士との相談内容について(特にこちらの意見と異なる場合には)遠慮なく仰って下さい。
最近のテレビ番組などを見てお分かりの方も多いと思いますが、ひとつの問題について弁護士同士ですら異なる見解を持っていることが頻繁にあります。
また、法律相談は、訴訟などの具体的委任を受けた場合と較べ限られた時間で行っていますので、様々な観点から多面的に検討するのが難しいという実情もあります。
ですので、自分の意見と違う意見があるからと言って、弁護士の側では気を悪くしたりしませんし、むしろ他の意見を聞くことで、より良い結論が導かれることもあります。
その他の注意事項
- 関係書類は後々証拠として使えるものが含まれていることと思いますので、書き込み、切り抜き、その他の加工はしないようにして下さい。
- 逆に、例えば取引の過程で資料に書き込みがなされた場合などは、その書き込みは消さないで下さい。
- まめに手帳や日記などをつけておられる場合、そうしたものが重要な証拠となる場合もあります。その他、意外なものでも証拠になる場合がありますので、こんなものは役に立たないだろうなどと決めつけてしまわないようにして下さい。